
大垣、昔繊維産業で栄え、交通の要所として
にぎわった地方都市。
町に残るのは大きな産業の残骸と、
そのすぐ脇に現れた巨大ショッピングモール群。
町はいま、新たな資本の餌食になっている。
町の骨格は戦国時代から何百年もの間に生成された
城下町であり、宿場町であり、
地上交通と水上交通の拠点でもあった。
文人、学者が集い、書画が栄えた文化の町でもあった。
そうした質の高い環境の名残りは、戦災をはじめ
幾多の災害によって壊されて、ほとんど後をとどめていない。
人々がお堀を埋め立ててバラックを建ててできた番外地が
町の中心にある。
そこはまるで廃墟のようにすさんでいる。
だがそうした虚の存在によって、
この町は不思議な魅惑を持つのかもしれない。
町を行くと突然現れる大きな壁。
その先には何も無く、町は、いや世界はここで終焉する。
完全な空虚に囲まれた町。
まるで神話の世界と同居しているような町。

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